美空ひばりの歌い方こそ日本歌謡-演歌
演歌の特徴はこぶしと独特の節回しである。どちらも楽譜では表現されないものである。
歌い方は、歌手の個性にゆだねられ、上手い演歌歌手かどうかというのは声や発声がきれいであることが重要ではなく、こぶしがうまく回り、個性があるかどうかである。
演歌の起源は、日本民謡や浪花節なのではないかと言われている。
民謡や浪花節の歌いまわしの発声やこぶしの使い方など、演歌と似通っているからである。
かつて、明治以降の西洋優先主義が音楽の世界も大きく影響され、西洋音楽ばかりがもてはやされるようになった。
しかし古くからある民謡は廃れることなく脈々とその伝統をつないできた。
その流れが昭和30年代になって演歌となって泉のごとく噴き出してきたのではないかといわれる説がある。
美空ひばりの独特な歌い方や節回しは、やはり演歌の元祖と言っても過言ではないかと思う。
彼女は、昭和12年横浜市の下町に生まれ。昭和20年の敗戦までを幼少期として過ごした彼女は、召集される近所のおじさんやお兄さんたちを送り出す席上で、大人の好む演歌を感情込めて歌い、そしてそれが周りの大人を感動させることが日常であった。
9歳のときNHK「のど自慢」に出演し、悲しき口笛を歌うも、その歌い方が大人の色気をそのままに表していて不健康である、という理由で落選。しかし、大人顔負けの舞台が評判となり、昭和24年河童ブギウギでデビュー、同年初主演映画悲しき口笛が公開され、以降、このときわずか12歳の彼女はスター街道をひた走ることになる。
敗戦後の日本庶民の心をつかんだ演歌は、やはり日本古来の民謡や浪花節が背景にあるのではないかと言われている。
そういう意味で、美空ひばりの歌は、「歌謡」という昭和の時代に生まれた演歌の元祖であり、象徴的な存在だと言っても良いでしょう。
